すぐわかる!3D CAD・3Dプリンタ
3D CADとは、コンピュータを使って立体物を設計するソフト。
平面の図面を立体におこすのではなく、最初から立体を作っていきます。
図面は、出来上がったものにもとづいて自動的に出力されます。
外観だけでなく、内部構造や部品の形・大きさ・位置関係を考えながら、行きつ戻りつ完成を目指します。
画面上でどの角度からも見ることができます。
3Dプリンタとは、3D CADで作ったデータをもとに、プラスチックで立体物を実際に作ることが出来る機械。
初心者にはむずかしいんでしょ?
いえ、それが、最近は値段も操作もやさしくなってきています。
3D プリンタは、今や2万円代からあります。
世界中のユーザーが、無料の公開データを上げているので、すぐ印刷できます。
iPadとApple Pencilで、直感的に描ける3D CADが無料で使るものもあります。
実際の使われ方
個人
- 壊れた部品の代替(フック・ツマミ・カバー)
- 収納・整理グッズ(仕切り、スタンド)
- ガジェット周り(スマホ台、ケーブル留め)
- フィギュア・模型・ミニチュア
- 自作ボードゲームの部品
「買うほどではないけれど、あったら便利」「世の中にないなら作ればいい」、そんな発想を実現できるのが、3D CAD と 3Dプリンタです。
自分で設計し、そのデータをもとに機械が形にしてくれる。
これは実際にやってみると、なかなかの快感。
自分用はもちろん、家族や知人に頼まれて「ちょうどいい物」を作る人も多いようです。
一方で、強度や仕上がり、プリントにかかる時間などの点から、大きな商売にはなりにくいと考えられます。
ただし、ニッチな需要に絞って販売する個人は、少しずつ増えてきています。
社会
3D CADは、現代のものづくりの中核を担っています。
建築、インフラ、自動車、家電、日用品、医療、エンタメにいたるまで、あらゆる分野で使われています。
分かりやすい例が、自動車です。
ボディラインはもちろん、数万点と言われる部品の一つひとつ。
そして、それらの配置までもが、すべて3D CADで設計されています。
見た目の美しさだけでなく、ドライバーが手に取ったときの感触、修理や回収のしやすさまで考慮して作られます。
こうして作られた設計データは、衝突や安全性、空気や熱の流れなどを専用の解析ソフトで検証するためにも使われます。
いってみれば、3D CADは、カッコよさ、快適さ、面白さ、安全性、経済性、作りやすさ――これらをどうやって同時に成り立たせるかを考え、形にするためのツールです。
では、ランニングシューズのクッションを作るとしたら?
- 狙いを決める
- 形を作る:3D CAD
- クッション性を計算:構造解析
- 材料特性を入れる:材料モデル・物性データ←メーカーのノウハウの塊
- 人の動きを入れる:バイオメカニクス解析
- 最適化:AI←最近の流れ
- 実物テスト
このような流れになります。
ただし実際には、行きつ戻りつを何度も繰り返しながら、ようやく完成にこぎつけます。
意外なところでは、アニメの制作現場でも使われています。
変形ロボットや複雑なアイテムをデザインするさい、物理的に破綻しないかを確認するため、まず3D CADで作ってみることがあります。
一方で、3Dプリンタは、完成品を作る前の段階で使われることが多いです。
たとえば、
- 社内やクライアントに見せるための完成予想モデル(イメージ共有)
- 実際のサイズ感や、形状・おさまりを確かめるための確認用モデル
- 少量だけ必要な試験的な部品、限定用途の部品
- 作業を効率化するための治具や補助具
お値段
3D CAD
初心者の方や、あまりお金をかけずに始めたい方には、無料で使える3D CADがいろいろあります。
機能は限られますが、体験には十分です。
有料ソフトは、現在ではサブスクリプションが一般的です。
個人・スタートアップ向け
年額 4万~10万円程度
プロ・一般企業向け
いわゆる、ミッドレンジCADと呼ばれる標準的なクラス
30万~100万円以上
自動車メーカーなど
数千~数万点の部品を扱うため、
年額数百万円クラスのハイエンドCADが使われています
実は、自宅でパーツを設計し、3Dプリンタで出力する程度であれば、無料版やフリーソフトでもまったく困りません。
3D CADは、フリーソフトでも完成度がわりあい高いのが特徴です。
ただし、複雑な形を作る場合はパソコンの性能に左右されます。
グラフィックボードを搭載した、ゲーミングPCに近いスペック(15~20万円クラス)が目安です。
今回は、AutodeskのFusionを使用します。
無料体験版ではなく、制限ありですが無償の個人用です。
3Dプリンタ
本体
ここ数年で、個人でも手が出しやすい価格帯・使いやすさになってきました。
最近の機種は、初心者でも始めやすい機能が備わっています。
安いもの:2万円台から
ボリュームゾーン:5万~10万円
ハイエンド:40万円以上
樹脂の糸を積み重ねる FDM(熱溶解積層)方式 と、
液体樹脂に光を当てて固める 光造形(レジン)方式 の
大きく2タイプがあります。
扱いやすいのがFDM、
超精密に作れるのが光造形です。
今回は FDM方式 を使用します。
このワークショップを機に新しく導入した、ボリュームゾーンの製品です。
材料費
FDM|フィラメント
1kgあたり 2,000円~4,000円
光造形|レジン
1リットルあたり 4,000円~10,000円
FDMであれば、小物なら1個あたり数十円~数百円で作ることができます。
ただし、かなり時間がかかります。
文書や写真の印刷が「秒」なのに対し、3Dプリンタは何十分、何時間とかかります。
周辺機器
FDM
フィラメントを乾燥させるドライボックス(約5,000円)があると安定
光造形
洗浄用アルコールや、仕上げ用の「二次硬化機」が必要
(セットで2~3万円程度)
どこで貸してもらえるの?
3Dプリンタを使ってみたいけれど、いきなり買うほどではない。
まずは試してみたい、たまに使えれば十分――そう考える人も多いと思います。
実は、数は多くありませんが、探せば使える場所は見つかります。
探せば見つかるレベル
例えば、「奈良市 3Dプリンタ」といった検索ワードで調べると、利用できる場所が見つかることがあります。
あちこちにあるわけではありませんが、探せば見つかるレベルです。
ホームセンターの カインズ では、
店舗によって工房を併設している場合があります。
公式サイトでは、東大阪店での3Dプリンタ利用体験記が紹介されています。
そのほか、
民間のコワーキングスペースの一角や、工作室・工房、公共の公民館・図書館に併設されているケースもあります。
ものづくり専門の場としては、
メイカースペース、ファブラボといった名前で呼ばれていることもあります。
料金の目安
料金は場所によってさまざまですが、
- 1時間あたり 500~1,500円程度
- 別途、材料費が必要
といったケースが多いようです。
実際に使ってみると
- 最初の設定が分かりにくい
- 思った通りに出力されない
- 詰まる・失敗することがある
といったことも珍しくありません。
いきなり一人で使うのは、少しハードルが高いかもしれません。
今回は、実際の出力は全員で一つだけ行います。
自由に使える体験とは言えませんが、
「どんな流れで作るのか」「何が難しいのか」を知る
最初の一歩としては、十分だと考えています。
さいごに、この体験会のポイント
この体験会は、ちょっと触って、「あ、こういう感じなんだ」と、実感できる時間。
意外と楽しい。
思ったより難しくない。
これは向いてない。
もう少し知りたい。
そんな感覚が、わいてくるかもしれません。
また、
「なるほどね、いまの社会では、こうした道具が当たり前のように使われているのか」
と、来る前よりイメージがはっきりするかもしれません。
こういう内容の体験会は、数としては多くないのが実情です。
とくに、ひきこもりの方に向けて、実践寄りの内容を、仕事で実際に使っている人から、無料で体験できる――
そうした条件がそろう場は、限られています。
ただし、あくまで体験重視。
すでに触ったことがある人や、詳しい人には、簡単に感じると思います。
なにはともあれ、
「なんか面白そう」「ちょっと気になる」
そのくらいのノリで、いらしてください。





