6/22(土)の「ひとをダメにするソファがある居場所でごろごろごろ」の中で、あたつく福祉型事業組合さまのICT講座の説明会をさせていただきました(案内文)。
お菓子たべながら何を聴いたのか、たっぷり書きました。
とはいえ、個別に皆さまいろいろ聞かれたでしょうから、あくまでダイジェスト版ということで。
過去の説明会のビデオをキャプチャして文章にあてています。
そのビデオもご覧になるとさらに分かりやすいと思います。
1時間の予定で、僭越ながら興味のない方は出ていかなくてもよいので、他のことをやってお過ごしくださいというようなことを冒頭で申し上げました。しかし、続き≫
- ICTは、ITを言い換えているだけ
- ハローワークの職業訓練と大きく違う
- カリキュラムの内容
- 対象者
- 修了後のこと
- 1期生はどうだったか
- 説明会:わいわいわい賑わいました
- 「あたくつく組合」について
- お申込みについて
- 過去のお知らせ
ICTは、ITを言い換えているだけ
ICTとは「Information and Communication Technology」の略称で、日本語では「情報通信技術」です。
現代は通信でつながった世界。
そこを強調する意味で、ITからICTへと言い換えが進んでいます。
ICT講座は、通信技術を学ぶのではなく、だいたいの方がIT講座と目にして想像するものと同じです。
ハローワークの職業訓練と大きく違う
説明を聞いて、ハロワとはこんな違いがあるなと思いました。
- 基礎から積み上げ型ではない。
- 授業日数や時間がかなり少ない。
- グループワークが多い。
- Zoomで参加できる、講義を録画するので後からでも見られる。
- 少人数(例えば1期生の応用講座の動画は、わずか3人)。
- 職業訓練給付金といったものがまったくない。
- 出席しなくてもペナルティーがない。
- 修了してもスキルアップの機会が用意されている。
カリキュラムの内容
週2日、たったの3時間
毎週 火・木のみ
10:00~13:00
半年間
45分授業が2回
12時からの1時間は個別フォローや質疑応答の時間
受講料は無料
受講料、テキスト代は無料。
台数に制限はあるが、持ち帰りOKのパソコンが用意されています。
こちらも無料。
講座で使うソフトや連絡用のソフトも無料。
かかるのは交通費だけ。
教え方:自分で学んでいけるように
ICTの技術は広範囲にわたるし、常に進化しています。
限られた時間の中で全部を教わることはできません。
よって、教わった知識を元に自分でどんどん学んでいけるようなカリキュラムにしているそうです。
応用がきく、センスが身に着くように。
ひとり一人、理解しているかどうかを確かめながら。
基礎と応用の2階建て
前半3か月が基礎講座。
後半の3か月が応用講座。
第一希望、第二希望にそって、三つの応用講座のうち、一つを受講。
基礎講座は全員で
カリキュラムを決めてはいるが、集まった受講生に合わせるかたちで調整がはかられます。
スキルが低めなら初心者にとって役立つことを沢山やる方向で。
逆にスキルが高めならもっと早めたりボリュームを増やす方向で。
全員が同じ授業を受けます。
応用講座は3分野にわかれて
第一希望、第二希望にそってコース分けされます。
1人につき1コースです。
実践的でテキストを使いません。
受講生一人ひとりに合わせて先生が工夫されます。
動画編集コース
動画はモノづくりなので達成感はものすごくあります。講座では操作方法はやりません。センスを養ってもらえるように教えます。(動画の先生)
操作方法的なものより、理論的な学びが実務に役立っていると感じます。YouTubeを見ると「こんなことを考えて作ってるのか」と、裏側がわかります。いいリズムに合わせて画像がバン!バン!と入ってくる、そういうものを自分でも作れたのが感動的でした。(1期生)
コーディングコース
コンピュータの中に新しい世界を作りだせる。プログラミングにそういうイメージを持っています。いろいろ出来ればすごく面白い!例えば、PHPというプログラミング言語で押せるボタンを作ってみましょう。こう書くとこういう動きになって、こう変えるとこうなるというように試してみます。他にも、講座では『ITのシステムを作っていくときに、こういう考え方をするんだ』というのを、おおまかにですが、ひととおりなぞります。単にプログラミングの『1+1=2』というだけではない、視点の違う勉強もできるのがこの講座のウリの一つです。(コーディングの先生)
データ入力コース
例えば、アマゾンの出品をやってみる。自分で書いてみるのもいいいが、AIを使うのもあり。(コーディングの先生)
Chat GPTなどAIの活用は体験ていどだが
どうやら、チラシに書いてあるほどではなく、ちょっとやってみる程度のようです。
もっとも、ひとによっては応用講座でAIを活用して取り組んでみるチャンスはありそう。
また、修了後も関係は続き、フォローアップとして最新トレンドの技術を学ぶ機会があります。
どれだけやるかは受講者次第
週に2日で、1回3時間という短時間です。
しかしながら、先生にはどんだけアホな質問も聞いてもらえます。
ひとに教えてもらう、しかも無料でというのは、貴重な機会です。
時間に余裕があるなら、自分からどんどんやっていく、わからないことは教えてもらう、その繰り返しで上達のスピードがあがります。
なるべく対面で受講していただきたい理由
Zoomで受講することも、アーカイブで勉強することも出来ますが、無理のない範囲でなるべく対面で受講していただきたいとのこと。
その理由は、対面のメリットを活かしたカリキュラムのため。
- グループワークを重視。課題をみんなで考えるという実践形式だから。
- 気軽に質問してもらいたいから。
- 講師が理解度を把握しやすいから。
Zoomで配信するので、自宅からリアルタイムで授業を受けることができます。
利便性があるので活用してもらいたいという思いがあるが、グループワークも質問も対面ほどやりやすいわけではない。
先生方が受講生の理解度を把握しづらいという点もあります。
よって、Zoomを主とする出席の仕方はあまりお勧めしないとのこと。
講義を録画するので、いつでもアーカイブを見ることができます。
復習したり、Zoomでも出席できなかったときに役立ちます。
とはいえ、補助的なもの。
ほとんどアーカイブで済ませるならメリットを活かせません。
YouTubeに落ちている動画を見るのと変わらない。
機材について
パソコン
1人1台
一般的なノートPC(ゲームや動画編集に向いたグラフィックボード搭載の高性能なものではない)
Windows 11(Windowsの最新OS)
Office(WordやExcelなど)インストール済み
全般的に使うアプリ
Slack|連絡、相談に使う。コミュニケーションツールとして会社などで一般的。(「ちょこっとワーク・なら」で使用。Breakでは常連の方向けにDiscordを使用しているが同じようなもの。)
Zoom|オンライン会議ツールの代名詞。授業をリアルタイムで見ることができ、質疑応答もできる。
Google クラスルーム|講義は録画される。ここにしまってあり、受講生は後から自由に見ることができる。
各コースで使うアプリ
動画編集コース:
Adobe Premiere Rush(アドビ プレミア ラッシュ)|授業で使うPCも貸し出しするPCもグラフィックボードを積んでいない一般的なノートPC。よって負荷が軽いものということで。無料版。
※他に使いたいソフトがあればそれに対応(受講者自身が用意できるなら)。
コーディングコース:
VSコード(Visual Studio Code)|プログラムを書くときに便利な編集ソフト。無料。
PHP(ピー・エイチ・ピー)|ウェブサイトを動的に動かしたり、ECサイトやSNSを作るときによく採用されるプログラミング言語。無料。
※シンプルで学習しやすい。他の言語は勉強しないが一つ勉強したら応用がきく。HTMLやCSS(ウェブサイトを作るときに一般的に使われる言語)でウェブサイトを作る勉強はしない。
データ入力コース:
Excel|表計算ソフトの代名詞。授業で使うPCに入っている。
おしゃれな教室で
ぷろぼの福祉ビル(ほとんどの期間)
社会福祉法人ぷろぼのの施設。
放課後等デイサービス、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援を行なっている。
近鉄 新大宮駅から徒歩3分。
BONCHI(7/23~8/22)
コワーキングスペース、会議室、カフェ・ショップ、創業相談が一体化した奈良市の創業支援施設。
2020年度、GOOD DESIGN賞を受賞。
近鉄 奈良駅から6分、もちいどのセンター街にある。
※全体に募集するかたちではないが、Breakの集まりで話を聞きに行ったことがある。
どちらも駅から近いです。
デザイン性のある建物でワクワク。
どちらも、駐車場、駐輪場がないのですが。
対象者
こんな方に受けていただきたい
- これまで学習の時間や機会がなかった方(高校途中でやめた、不登校で学校にいけなかった)
- 仕事の時間を一定に取ることが難しい方(病気の影響でなかなか働きに行けない、家族の介護や子育てに追われている
- 一般就労以外の選択肢を模索している方(一般的な働き方ではない働き方をしたい)
こういう参加の仕方はあり
既に高いスキルを持っている
基礎講座はほとんど受ける必要がない。
とはいえ、ひきこもりがちで家族以外としゃべりたい。
生活リズムを整えたい。
そういう理由で出席。
講義中は自習したり、ときどき参加するという参加の仕方はあり。
遠い
交通費の都合で毎回教室に出向くのが難しい。
そういう場合は、ときどきZoomを活用しながらで。
受けたい講義だけ受ける
というのもありといえばあり。
例えば、半年間の講義のなかで2か月分だけとか、基礎は省いて応用だけとか。
ただし、定員20人を越えて募集があると、全部受けたいというひとを優先する。
年齢やスキルよりも
働きたいという意思を待っているかどうか。
だから、基礎から粘り強く教えるし、実践的とのこと。
修了後のこと
就労サポートがある
どういう働き方が希望か、どの分野で働きたいのか、前半の基礎講座終わった時点や、講座の終わりの方で面談が予定されています。
希望や興味、実力に応じて相談にのってもらえるそうです。
場合によってはICTの分野以外の職種にも対応。
雇用されたいのか、個人として働きたいのか。
正社員がよいのか、契約社員がよいのか。
時給がよいのか、出来高がよいのか。
例)出来高なら1件が10万円の仕事をスキルがあれば1週間。なければ1か月。実入りが良いと感じるひとがいれば、最低時給以下になって実入りが悪いと感じるひともいる。
動画編集をやりたいなら、そういう会社を紹介。
コーディングをやりたいなら、この会社のこの仕事のこの部分をやってもらうとか。
アマゾンの商品発送代行なんていうのもあります。
このような具体的な橋渡しをしてもらえるそうです。
そんなに多様性はないとしても、自分で職や仕事を探さなくても与えてもらえるチャンスと言えます。
50歳でもチャンスあり
IT業界は人手不足。
世の中の方向性からいえば、一過性ではなくこの先もそれが続くことが明らかです。
そういう面から、50歳未経験でもチャンスあり。
年齢は関係なく、そのひとがどうかということらしいです。
資格を得られるわけではない
最後まで受講しても、なにかの資格が取得できるわけではありません。
また、資格取得のためのカリキュラムではないので、そのための勉強としては不十分だそうです。
1期生はどうだったか
今回の募集は2期生。
1期生は全員で15人。
最後まで受講された方の中には「あたつく組合」さまと関係のある会社の契約社員になったかた。
講師の先生から仕事を依頼されているかた。
ICTではなく、経理や福祉の方向に進まれたかた。
一般就労ではなく、障害福祉サービスの方向に進まれた方。
就職活動中の方など。
半分未満であるが途中でそれぞれの理由でお止めになった。
卒業後もフォローアップがあり、好きでどんどんやる人には、そのうちいい話が舞い込んでくるかもしれないかんじ。
説明会:わいわいわい賑わいました
お菓子食べながら2時間半も
プロジェクターなしで、お菓子をたべながら。
ざっくばらんで、和やかににぎわいました。
1時間の予定が、2時間半も。
全体説明と質疑応答が1時間20分、その後、説明にきてくださった4人が各テーブルに分かれて。
質問が多かったし、具体的な話になりました。
説明してくだった4人の皆さま
受講生の相談役&基礎講座の先生
17歳で出産、高校中退
単発短期の派遣仕事を含むと30種類以上の職種を経験
サポステ職員をへてフリーランス
3人の子どもの母
※今回の司会を務めてくださいました。
コーディングの先生
大企業をへてフリーランス
コーディング担当
もうすぐ還暦
動画の先生
中卒で瓦職人に
社会人をへて大学に進学
独学で動画を勉強し、フリーランス
40代?男性
この講座の1期生
ひきこもり経験あり
応用講座では動画を受講
現在は教わったスキルや他分野の経験を活かして働いてらっしゃいます
女性
全員で21人
対象者…15人(世話人のでがらしを含む)
鳥見ふらっとの職員さん…2人
あたつく組合から説明にいらした方…4人
対象者15人のうちわけ
男性8、女性7
①ちょこならメンバー:4人
②あなたのまんま:2人
③職員さんの紹介:1人
④あなたのまんま参加者の紹介:1人
⑤その他Breakつながり:7人(世話人を含む)
※③④はBreakはじめての方。ほかは全員Breakにいらしたことがある方。
※対象者全員が受講の意思があったり、通える距離に住んでらっしゃるというわけではないです。
お詫び|単に、ごろごろごろするつもりでいらした方へ
1時間の予定で、僭越ながら興味のない方は出ていかなくてもよいので、他のことをやってお過ごしくださいというようなことを冒頭で申し上げました。
しかし、部屋の大きさに比べれば人数が多く、盛り上がって結局15時の開始から通常の終了時間を越えて17時半までやらせていただくことになりました。
そもそも、後から急に加わったイベント。
単に、ごろごろごろするつもりだった方もおられたはず。
その方にとっては、言い出せず、居心地がわるかったのではないかと思います。
申し訳ありませんでした。
「あたくつく組合」について
この講座は「あたつく組合」(あたつく福祉型事業協働組合)さまの取り組みです。
組合って、農協や労働組合以外は、なかなか聞きなれないかと思います。
このページを書いている、Breakの世話人もよく知りません。
そこで、HPページや、過去の説明会の動画をちょこっと見ました。
かいつまんでご紹介。
“あたらしい・はたらくを・つくる”ことを目指し、奈良県内の多様な事業体が集まって2017年につくられたもの。
奈良県の委託事業。
このような目的があります。
- 福祉や企業、NPO等が共同して仕事を受注する、新しい福祉型の社会システムの構築。
- 障害のある人が働ける多様な職場をつくり、若者やママ、シニアも活動できる仕事の創出。
- 中小企業の社会貢献活動(CSR)の支援。
その実践として、ダイバーシティ人材育成事業という学ぶ機会を設けてらっしゃいます。
ダイバーシティ人材育成事業の中に、ICT講座があるというイメージです。
働くことに悩みを抱える方を対象としています。
というわけで、Breakを含め、鳥見ふらっとの居場所「ねどこ」や「まんま」の集まりにご参加の皆さまは対象者です。
お申込みについて
実際のお申込み期限
チラシには、6/24(月)が申込みの期限と書いてありますが、実際には越えても受け付けてもらえます。
この説明会が始まる前までに、20名の募集のうち半分しか応募がありませんでした。
そこで、最大で講義初日、1週間前の7/9まで待つつもりというお話。
とはいえ、わたくしめが知っているだけで、説明会直後や翌日に少なくとも3名が応募されました。
このようにBreakでPRすれば、残りの人数も数日で集まるかもしれません。
少しでもその気がある方は、とりあえず申し込まれるのが得策と思います。
キャンセルはいつでも出来ますから。
面談は面接というよりも相談
学びたいという方にはなるだけ受けてもらいたいというスタンス。
落とすための面接ではないそうです。
ご都合をきいたり、希望を聞かれます。
期待と実際のミスマッチがないようにお伝えされます。
受けたい気持ちはあるが、いろいろ不安だったりという方は
- 申込みフォームに備考欄があります。そこにいろいろ書いてみられるのはいかがでしょうか。
- お申込みのあと、来所による面談があります。落とすための面接ではなく、相談というかんじらしいです。そこでいろいろと尋ねてみられてはいかがでしょうか。
- お申込みの前に電話もよいかも。メールで尋ねることもできます。チラシに電話番号やメアドが載っています。
支援団体名のところには
Breakにいらっしゃる方で、他に特に所属がなければ、Breakと書いてください。
あるいは、そこは空欄にして、備考のところにBreakと記載があるとよいと思います。
Breakは、支援する団体ってかんじとはかけ離れていますが。
それはともかく、土曜日の説明会つながりであることが、「あたつく組合」さまのご担当者に分かっていただだければ話が早いかなと。
「あたつく組合」さまには、予定詳細と、このご報告のページをお送りしておきます。
※ねどこでご説明いただいた4人の方には、予定詳細を軽くご覧いただいております。