
(written by 摩耶)
新たな発見を求める上で、
同じ方向から物事を見ていても
中々見つかりません。
上から見ていたなら下から、
双方から見ても見つからなければ斜めからと
違った目線で物事を眺めるのが大切だと感じます。
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例えばロールプレイングゲーム。
ひきこもりをご経験の方にとっては
切っても切れない間柄で、
楽しまれた方は多いと思います。
何処かの田舎の村の少年(または少女)が、
何かしらのきっかけで
世界を救いたいと旅に出ます。
数多くの出会いと別れを繰り返し、
様々なモンスターと渡り合って
経験値とお金を稼いで
強力な武器や防具を揃え、
魔法を覚えて冒険を進めながら、
街々の事件を解決し、成長の糧とします。
そして諸悪の根源というボスを撃破、
世界を混沌から救い、
その世界の勇者として、
後の世に語り継がれる存在になって
ハッピーエンドを迎える。
近頃は世界を救った後、
民衆から手のひらを返されて疎まれる存在になり、
闇落ちする展開までの後日談まで
用意されているライトノベルもあると聞きますが、
昔の王道RPGは大団円で終わりを告げました。
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そんなRPGの醍醐味といえば、
やはりダンジョンへの冒険でしょう。
1マスのドット絵や1箇所の洞穴から、
広くて幾重の階層も連なる迷宮が続くと、
軽く地震が起これば、
すぐに崩落するだろ?と
ツッコミを入れたくもなりますし、
冒険や物語が後半に差し掛かれば
パズルの要素が含まれていたり、
通路がループしていたりと、
更に複雑な構造になっています。
出現するモンスターも手強く、
生半可なレベルだとあっという間に全滅……
私達の世代なら
『ロンタルギアの洞窟』・
『ネクロゴンドの洞窟』と聞けば、
ゲーム作品の最難関という
イメージを持ちますし、
若い世代の方にも
印象的なダンジョンがあるでしょう。
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ではここで冒険者側の目線ではなく、
ボス目線で見てみようと思います。
ダンジョンの奥で冒険者が
やってくるのを待ち構えず、
少年が最初の街を一歩出た所で襲撃すれば、
洞窟の中にある宝箱を取られて
利用される事はありませんし、
レベル上げの場所を提供しないでも
ひとひねりで勝てるでしょう。
それなのにダンジョン最深部で悠然と待ち構え、
「よくぞここまでたどり着いた。
勇者どもよ……」と
上から目線の台詞を言い放つ。
ひょっとして手下に造らせた
ダンジョンの最深部から、
入口に向かうまでに
道に迷って出られないから
待ち伏せるしかなかったとしたら……
「よくぞここまでたどり着いた勇者どもよ…」
は建前で
本音は
「やっときた!待ってたよぉぉ!
さぁ僕と戦ってよぉぉ!」
と涙目で迫ってきたら。
おどろおどろしいラスボスも
ちょっと可愛く見えてくる。
(箔はガタ落ちになりますが)
世のロールプレイングゲームの
盛り上がりの影には、
「はやくこないかなぁ……」と
のの字を書いているラスボスの
我慢強さが光っています。
このコラムは、摩耶さんよりご寄稿いただきました。
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