(written by 昼まで寝太郎)
さて、さらなる激安を目指すというところで前回は終わっていた。
前編から1年近くも経過して、現時点ではプロジェクター熱も冷めつつあるが、続きを書いてみたいと思う。
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次に手を出したのはいわゆる中華プロジェクター。中国のよくわからないメーカー製のもので、Amazonで多数販売、YouTubeでも企業案件でレビューをしているユーチューバーがたくさんいて、当時はかなり盛り上がっていた(久しぶりに見てみたら今はかなり下火になっている模様)。
新品を定価で買うというチャレンジはハイリスクそうだったので、失敗してもいいようにメルカリ等で粘り強く日々探した。
しばらくして、2019~2020年頃に販売されていた、自分調べによるとまだまともそうな高解像度モデルを約4500円で出品されている方を見つけ、それを購入。WIMIUSというメーカー(ブランド?)のS1というモデル。
これがたまたま意外なほど絶妙に決して良くはないけど悪すぎはしない映像を映してくれて、本体スピーカーから結構いい音も出る。解像度がフルHDというのも一応嘘ではない様子だった(後に他の機種も買ってわかるのだが、安価な中華プロジェクターの場合、このバランスを満たしてくれているものに遭遇することがとても難しい。最新機種なのにフォーカスが甘かったり、動作音が爆音だったり、すぐ不具合が出たり、何かイラつくポイントが潜んでいる。運ゲー要素が強いので基本は買わない方が無難)。
正直、適当に映像を大画面で楽しめればいいやって程度ならこれでOKなのかもと思う。光源がLEDなので、長時間映像を映すような使い方をしても電気代が気にならないし、ランプの寿命を気にする必要もない。もし短期間で壊れたとしても余裕で諦められる値段(新品で買ってないからだけど^^; )。
お気に入りのいい服じゃなくて、なぜかいつも着てしまう適当なジャージ。そんな使い勝手の気楽さを感じられた。
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壁の余白に映した参考画像がこちら!
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(※壁紙に細かな凹凸模様があったため、その上に模造紙サイズの黒い紙、その上に重ねて白い紙を貼り、簡易スクリーンを作ってみたが、こんなものでも映像のザラつき感が消えちゃんと映る。
また、重要なものって大抵画面の中央付近に映されているから、壁紙にはみ出して境界線ができたり、壁のコンセントに映像がかぶさったりしていても、端の方なら意外と気にならない。上記画像の投影範囲で大体130cm×75cmほど。)
さすがに前編で紹介したEPSONと比較すると、投影パワーや光学製品としてのつくりが桁違いに貧弱なため、きちんと白い平滑な面に投影したり、部屋を暗くしないときれいな映像は映せないけど悪くはない。
(この2号機は手放さずに置いておいてもよかったなと後になって思った)
というわけで2台目にして、高いレベルを求めないのであれば、5000円以内でも大画面を楽しめる環境は作れてしまうという結果に!!
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ちなみに、2台目以降のことも全部書くと何回にも渡って連載できてしまう文章量になってしまうので端折らざるを得ないのだが、結局、このハマり期に私は合計10台も購入している。
そのうちの5台は売却、1台は返品となり、現在手元には後半の方で手に入れた4台が残っている。4台とも日本メーカー製で10年以上前の製品だ。
4台のうちの2台は、フルHD解像度で投影できるしっかりとした据え置き型ホームシアターモデル、あとの2台はそれぞれ本体が800g程度しかないモバイルモデル。この軽量なプロジェクターはどちらも5、6千円程度で手に入ったもので、解像度も低めながら、50~70インチ程度の投影サイズで映画や動画を観るならこれぐらいでも大丈夫なんだなと思わせてくれるレベルで良く映り、用途を割り切れば全然使える。
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そうそう、前編の最後で「大きな落とし穴があったことが後に判明することになる」と書いていたその落とし穴というのは、所謂ビジネスプロジェクターとホームシアター用途に向くものとの違いをよくわかっていなかったこと。
1号機のEPSONを購入してしばらくはYouTubeの動画や手持ちのライブ映像を観ていたので気づかなかったのだけど、しばらくして「そういや映画をまだ観てなかったな」と思い、意気揚々と映画を見始めて気づいた「暗いところがよく見えない!」という問題。
私の購入した機種が特にそうだったのだが、コントラスト比という性能を表す数値が低い。簡単に言うと明所と暗所の差を描き分けるのが苦手なのだ。
強い光量で明るく映像を映すのは得意なのだけど、映画のように繊細な明かりの表現、光量が少ない暗所のシーンなどを映し出すのはすこぶる苦手。
明るすぎるが故に陰に映っているものが光で塗りつぶされてしまうような感じになってしまう。なので、特に落ち着いたしっとりとしたタイプの映画なんて見られたものではなかった。
パワーがあればあるほどいいだろうと考えていたが、そんなに単純なものではなかったのだ。むしろ映画の暗部に関してはチャチな中華2号機の方がよほどきれいに映せたほどにダメだった。
さすがに映画を大画面で観るのに使いたいと考えていたので、記念すべき1号機だったが、私の知識が足りなかったために、早々にドナドナすることになった。
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最後に激安ホームシアター(もどき)チャレンジの記録をざっと総括しておくと、この試み(遊び)は大成功と言えると思う。
PCと何かしらの音声出力装置、投影できる壁の余白を持っている前提であれば、5000円程度ですらその環境構築は可能(高いレベルは求めないこと!)。1万数千円あれば余裕♪ あとは専用のスクリーンを用意したり、機材にかける金額次第でクオリティはいくらでもUPという感じ。
当然ながら、古い安いものは手がかかる、最新の高いものは便利、こういう面はあるので、興味のある方は、ご自身の機器類の操作に対する得手不得手の度合いなんかも考慮しつつ選ばれるのがいいと思う。(私であればご相談はお気軽に)
映画や様々な映像を大画面で見たいという方にはかなりコスパに優れた投資のような気がするし、私個人としても、多少の画質の良し悪しなんかは吹っ飛ぶ巨大画面の圧倒的な説得力のようなものを知れたので、また楽しい趣味を1つ見つけられた体験となった。
完
このコラムは、昼まで寝太郎さんよりご寄稿いただきました。
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