(written by 昼まで寝太郎)
(※以下は一個人のただの妄想を中心とした文章であり、クレーム等は一切受け付けません)
コロナ禍の中、芸能活動をされている方々もさぞ大変だろうと思う今日この頃、引き続き、乃木坂46を中心にウォッチしたりしています。
有観客でのライブや握手会ができないことは、収益的にかなり大きな打撃となるように思えましたが、人気と資本のあるところは、すばやくオンライン対応の仕組みを構築し、これまで以上のチケット枚数を売り上げているようにも見えます。
リアルの世界では、会場キャパシティの都合上、どうしても販売できるチケット枚数に限界がありますが、オンラインでは無制限にできるため(※通信回線やサーバー機器等の許容量を考慮しない場合)、もしかするとコロナ以前より効率よく稼げていたりするのかもしれません。
ここにも「富めるものがさらに・・」の構図が生まれていそうです。
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活動をウォッチする中で、その運営手腕みたいなところにも興味を持っています。
実情など何一つ知り得ない一個人の感想でしかないのですが、乃木坂46の運営は上手い。
例えば、2019年8月に秋元真夏さん(以降敬称略)の二代目キャプテン就任が発表された時、「おぉ、また1期生がやるのか」くらいにしか思っていなかったのですが、今となってみれば秋元真夏一択であり、他の候補者が思い浮かばないほどに適任だと感じます。
非常にクレバーで、どんな現場でも必要な役割を瞬時に理解して対応する能力があり、広い視野で状況を見てメンバーに優しく声をかけることができ、自身のコンプレックスもチャームポイントに変えて周りから愛される。
自分がもし経営者だったとしたら、何をおいても採用したいような人材。芸能界でなくても、いくらでも活躍の場があるように思えます。
また、世代交代の兆しは示しながらも、重要なキャプテンポジションを安易に次世代に移譲するようなことはせず、形式的な変化に執着しない的確な判断に、運営サイドの有能さを感じた出来事でした。
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さて、26枚目シングルのセンターには3期生の山下美月が選出されています。
白石麻衣卒業後に出す最初のシングルにあたるということで、ある種の転換点になるとは言われていましたが、発表を見て、こちらも当初はちょっと意外な気がしていました。
他の誰かを予想していたわけではなかったのですが、グループとしてのセンター的役割を継承している1期生の齋藤飛鳥が務めるか、世代交代というなら、4期生の誰かを抜擢するのかな?と、何となく思っていたからです。
山下美月は確かにかなり人気の高いメンバーであり、センター候補に入る人材ですが、数値的な人気だけを見れば、より上を行くメンバーもおり、スター性というのかヒロイン性というのか、天性のものを持った他のメンバーもいます。なので、ここで山下美月が抜擢されたことにちょっとした驚きを感じました。
しかし、後々考えを巡らせてみると、こちらも納得感のある人選に思えました。
これまでのシングル曲のセンターは、新しい期の加入者があった際のお披露目を兼ねた抜擢以外、全て1期生が務めてきています。
平常時において1期生以外が務めるというのは今回が初。しかも、グループの今後の体制を示すことにもなるタイミングということで、失敗できない、むちゃくちゃプレッシャーのかかるセンターポジションということが想像できます。
無難に行くなら経験豊富な齋藤飛鳥になりそうですが、変化に乏しい。じゃあ誰?と考えると、4期生にはまだ荷が重く、3期生の他の人気メンバーは?というと、人気としては申し分ないけれど、このタイミングのセンターという役割を全うできるのか少々不安がよぎる。そう考えると山下美月しかいないなと。
なぜなら、山下美月は「プロアイドル」、「職業アイドル」タイプのメンバーだからです。
こう書いてしまうと、裏表の差が激しくて、裏ではファンのことをボロクソに言っていそうな印象を与えてしまうかもしれませんが、そういうことでは決してなくて、求められた仕事をやり遂げる覚悟・胆力があり、自分自身の役割を冷静に判断して努力・活動できるアイドルといった意味合いです。
運営がなぜ彼女を選出したのか、何も知る術がありませんので全て妄想の世界の話なのですが、こうした重要局面では、私であれば、やはり「やり切れる」人材に託したい。他に華のある人材がいたとしても、ビジネスですので、ホームランか三振か、どっちに転ぶかわからないような賭けには出づらいところがありますし、プレッシャーが糧になるタイプのメンバーでないと、センターという花形ポジションが、その本人にとっても逆効果になってしまうかもしれないからです。
少し後になって、Huluで配信されている乃木坂46ドキュメンタリー「僕たちは居場所を探して」の山下美月編を観て、自分の想像が当たらずとも遠からずのように思えました。
このドキュメンタリーは、センターの両隣に選ばれた梅澤美波、久保史緒里についても、それぞれ制作されています。
乃木坂への興味云々関係なく、もしよかったら観てみてほしい。(詳しくは書けませんがネットの海を探せば・・)。
生きてきた中で悩み、苦しみ、悲しんだことがある方であれば、何か感じるような部分もある内容だと思います。
アイドルに向けられる目線の中には、例えば「生まれつき容姿や才能に恵まれているから」、「自分だってこんなに可愛ければ何でもできる」という妬み嫉みのようなものも多々見かけます。
憧れや羨望の眼差しは時としてそのような感情と紙一重のところがありますので、そうした気持ちが生じることが理解できないわけではありません。
しかしそれらは、例えば、私のようなひきこもりに対して向けられる「自分で稼ぎもせず快適な住居で生活し、食にも困らず、言い訳ばかりしている単なる甘えた人間」というような、極めて一面的な見方にも類し、少なからず想像力が欠如していると考えるべきでしょう。
人物像に触れる映像やインタビューなどを見た時に、やはり、どんな位置にいる人にも、それぞれの人生においての大きな苦悩や葛藤があり、その内面には外からでは見えづらい不安や恐怖心との孤独な闘い、乗り越えるための努力があるものだと学ばされます。
「人には人の地獄があり、私には私の地獄がある」
そうした背景が垣間見えるからこそ、単純に「可愛い」、「きれい」だけではないところで彼女たちに惹かれ、何か力をもらっているような気持ちにもなる気がします。
(これも運営サイドの心理的戦略にうまいこと乗せられているのでしょうか?!)
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私は、「◯◯推し!」みたいな視点ではあまり見ておらず(全員素敵なところがありますので)、メンバーやグループのストーリー、背景、活動していく中での心情などを、物語的に楽しんでいるところがあります。
誰かと雑談している時に、戦国大名の歴史物語と、アイドルグループの活動の歴史には似たような魅力がある!と話していたことがあるのですが、各藩のお家事情や武将のデータを知れば知るほどに、本を読んでも、大河ドラマを観ても面白くなりませんか?まさに、そんな感じです。
だから、運営手腕みたいなところにも興味が湧いてくるのでしょうか。優秀な家臣団が支えているのかな?みたいな(笑)
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26枚目シングルでは、選抜最前列の中心3人が3期生となり、選抜19人中11人が3・4期生で占められました。
また、先日行われた「9th YEAR BIRTHDAY LIVE 前夜祭」においては、進行役メインMCも3・4期生が務めていました。
このあたりからも、運営サイドの明確な世代交代の意思、スピード感が感じられました。
これまでの多人数アイドルグループにおいては世代交代がうまくいかず、人気のピークアウトにつながってきましたので、乃木坂の運営としてはそうした事例をかなり意識して進めているのではないでしょうか。
世代交代に成功してまだまだその覇権が続いていくのか、やはり世の常には逆らえず、数年中にもまた新たな台頭勢力に取って代わられていくのか。
成長期よりも成熟期を迎えた後にどうハンドリングして継続させていくかの方がはるかに難しいと思いますので、むしろグループ運営の舵取りについてはこれからより注目していきたいですね。
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PS. 櫻坂46(旧欅坂46)は2期生にかなりポテンシャルの高いメンバーが揃っていますので、何とか頑張って巻き返してほしい。
ただ、こちらの運営能力には不安が。いい社員が揃っていても経営陣が無能な会社って潰れてしまいますので・・
日向坂46はあまりわからないのですが、元気いっぱいそうなので大丈夫かな!
このコラムは、昼まで寝太郎さんよりご寄稿いただきました。
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